導入準備説明会の設計

社員説明会を「配って終わり」にしない設計

資料を配って希望者を待つ形だと、興味のある人しか残りません。参加できる形を会社が作るところまでが設計です。

企業型確定拠出年金(企業型DC)の社員説明会は、資料を配って希望者を待つ形にすると、もともと関心のある人しか残りません。届けたい相手はそこではないはずです。

参加できる条件を会社が作るところまでが設計です。いつ、どんな形で開き、出られなかった人をどう扱うか。順に書きます。

この記事で分かること

  1. 就業時間中に開く。リアルとオンラインのハイブリッドにする。参加できなかった人には、アーカイブの確認を義務にする
  2. 社長の話は5分。事前に一度、打ち合わせで整理する。制度の説明ではなく、従業員にどうなってほしいかを言葉にしていただく時間
  3. 説明会だけで終わらせない。事後説明会と個人面談まで含めて1つの設計
目次
  1. 就業時間中に開く
  2. リアルとオンラインの両方で開く
  3. 当日の流れ
  4. 社長との事前打ち合わせ
  5. 説明会のあとに何を置くか
  6. よくある質問

就業時間中に開く

最初に決めるのは日時です。就業時間中に入れてください。

終業後や休日に設定すると、参加は事実上の自由になります。自由にすると、いま関心のある人だけが残ります。将来のお金の話を後回しにしている人ほど来ません。制度を入れる目的から考えると、順序が逆になります。

会社の時間として開くと、それだけで「これは会社が本気で入れた制度だ」という合図になります。案内文に書かなくても伝わります。

リアルとオンラインの両方で開く

拠点が複数ある会社、シフト制の会社では、全員を一つの部屋に集めるのが難しくなります。会場とオンラインを同時に開くハイブリッドにします。

そのうえで、参加できなかった人にはアーカイブの確認を義務にします。「見られる人はどうぞ」にすると見ません。

会社にお願いすること

アーカイブを見たかどうかの確認まで含めて、会社の仕組みにしてください。ここを任意にすると、そのまま個人面談の欠席につながります。

総務・三浦

アーカイブの確認を仕組みにする、というのは具体的に何をすればいいでしょうか。

以西 裕介

見たかどうかを会社が確認するところまでです。「見られる人はどうぞ」にすると見ません。

ここを任意にすると、そのまま個人面談の欠席につながります。

当日の流れ

説明会そのものの組み方です。

  1. 社長が話す(5分)

    制度の説明はしていただきません。この制度を使って会社がどうなってほしいのか、そこだけを話していただきます。

  2. 制度の説明

    ここからが私たちの仕事です。制度とは何か、自分にとって何が変わるのかを説明します。

  3. 個人面談の案内

    この場で日程まで決めます。「後日、希望者は総務まで」にしません。

社長に話していただく理由と、実際にあった会社の言葉は「社員説明会は、社長の言葉から始まる」に書きました。

社長との事前打ち合わせ

本番の前に、必ず一度お打ち合わせの時間をいただきます。ここを飛ばすと、当日に制度の説明が始まってしまいます。実際にそうなった会社があり、その会社ではいまも拠出が伸びていません。

打ち合わせで整理するのは、制度の中身ではありません。会社やご自身が、従業員にどうなってほしいのか。どんな未来になってほしいのか。それを言葉にしていただく時間です。

ここで出てきた言葉は、そのまま当日話していただきます。原稿を作ることはしません。

導入した会社の社長

原稿がないと、当日うまく話せる自信がありません。

以西 裕介

打ち合わせで、従業員にどうなってほしいのかをうかがいます。そこで出てきた言葉をそのまま話していただくので、新しく考えていただくことはありません。

うまく話せたかどうかは問いません。飛ばすと当日に制度の説明が始まってしまう、というのが実際に起きたことです。

説明会のあとに何を置くか

説明会は、制度が始まる前にある1回のイベントです。ここで終わらせると、そのあとが続きません。

置くもの中身
個人面談 対象者全員と実施。就業時間中に、有給で受けられる形にする
事後説明会 オンラインとアーカイブで実施。制度が始まったあとの疑問を拾う
継続教育 新入社員が入るたびに実施。金融教育は確定拠出年金法で努力義務とされている

個人面談の組み方は「個人面談を就業時間中に組む」にまとめました。ここが最も差の出るところです。

よくある質問

説明会にはどのくらい時間がかかりますか。

社長のお話が5分、そのあとに制度の説明と個人面談の案内が入ります。会社の事情に合わせて組みますので、時間の目安はご相談ください。

パートやアルバイトも参加させるべきですか。

社会保険に加入している方が対象になります。誰を対象にするかは制度設計の段階で決めるので、説明会の案内もその範囲に合わせます。

資料だけ配って、質問があれば受ける形ではだめですか。

その形にすると、関心のある人だけが手を挙げます。導入して効果が出ていない会社は、ほぼこの形です。違いは「導入して効果が出る会社と、出ない会社の違い」に書きました。

導入を考えている会社の方へ

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ファイナンシャルプランナー 以西裕介

この記事を書いた人

以西 裕介いさい ゆうすけ

株式会社ソケットクリエイティブ 代表取締役/一般社団法人確定拠出年金推進協会 理事。
26歳で独立起業。創業間もなく社員の離職が相次ぎ、自社の経営難という苦い経験に直面する。以来、金融と人事の両面から中小企業を支援。企業型確定拠出年金の導入支援、職場の金融教育、チームビルディングを手がける。のべ面談 年間約500回。
2級FP技能士/DCプランナー/二種証券外務員。著書『社員が辞めない組織を作る3つの方法』