企業型確定拠出年金(企業型DC)の社員説明会は、資料を配って希望者を待つ形にすると、もともと関心のある人しか残りません。届けたい相手はそこではないはずです。
参加できる条件を会社が作るところまでが設計です。いつ、どんな形で開き、出られなかった人をどう扱うか。順に書きます。
この記事で分かること
- 就業時間中に開く。リアルとオンラインのハイブリッドにする。参加できなかった人には、アーカイブの確認を義務にする
- 社長の話は5分。事前に一度、打ち合わせで整理する。制度の説明ではなく、従業員にどうなってほしいかを言葉にしていただく時間
- 説明会だけで終わらせない。事後説明会と個人面談まで含めて1つの設計
就業時間中に開く
最初に決めるのは日時です。就業時間中に入れてください。
終業後や休日に設定すると、参加は事実上の自由になります。自由にすると、いま関心のある人だけが残ります。将来のお金の話を後回しにしている人ほど来ません。制度を入れる目的から考えると、順序が逆になります。
会社の時間として開くと、それだけで「これは会社が本気で入れた制度だ」という合図になります。案内文に書かなくても伝わります。
リアルとオンラインの両方で開く
拠点が複数ある会社、シフト制の会社では、全員を一つの部屋に集めるのが難しくなります。会場とオンラインを同時に開くハイブリッドにします。
そのうえで、参加できなかった人にはアーカイブの確認を義務にします。「見られる人はどうぞ」にすると見ません。
アーカイブを見たかどうかの確認まで含めて、会社の仕組みにしてください。ここを任意にすると、そのまま個人面談の欠席につながります。
総務・三浦
アーカイブの確認を仕組みにする、というのは具体的に何をすればいいでしょうか。
以西 裕介
見たかどうかを会社が確認するところまでです。「見られる人はどうぞ」にすると見ません。
ここを任意にすると、そのまま個人面談の欠席につながります。
当日の流れ
説明会そのものの組み方です。
-
社長が話す(5分)
制度の説明はしていただきません。この制度を使って会社がどうなってほしいのか、そこだけを話していただきます。
-
制度の説明
ここからが私たちの仕事です。制度とは何か、自分にとって何が変わるのかを説明します。
-
個人面談の案内
この場で日程まで決めます。「後日、希望者は総務まで」にしません。
社長に話していただく理由と、実際にあった会社の言葉は「社員説明会は、社長の言葉から始まる」に書きました。
社長との事前打ち合わせ
本番の前に、必ず一度お打ち合わせの時間をいただきます。ここを飛ばすと、当日に制度の説明が始まってしまいます。実際にそうなった会社があり、その会社ではいまも拠出が伸びていません。
打ち合わせで整理するのは、制度の中身ではありません。会社やご自身が、従業員にどうなってほしいのか。どんな未来になってほしいのか。それを言葉にしていただく時間です。
ここで出てきた言葉は、そのまま当日話していただきます。原稿を作ることはしません。
導入した会社の社長
原稿がないと、当日うまく話せる自信がありません。
以西 裕介
打ち合わせで、従業員にどうなってほしいのかをうかがいます。そこで出てきた言葉をそのまま話していただくので、新しく考えていただくことはありません。
うまく話せたかどうかは問いません。飛ばすと当日に制度の説明が始まってしまう、というのが実際に起きたことです。
説明会のあとに何を置くか
説明会は、制度が始まる前にある1回のイベントです。ここで終わらせると、そのあとが続きません。
| 置くもの | 中身 |
|---|---|
| 個人面談 | 対象者全員と実施。就業時間中に、有給で受けられる形にする |
| 事後説明会 | オンラインとアーカイブで実施。制度が始まったあとの疑問を拾う |
| 継続教育 | 新入社員が入るたびに実施。金融教育は確定拠出年金法で努力義務とされている |
個人面談の組み方は「個人面談を就業時間中に組む」にまとめました。ここが最も差の出るところです。
よくある質問
説明会にはどのくらい時間がかかりますか。
社長のお話が5分、そのあとに制度の説明と個人面談の案内が入ります。会社の事情に合わせて組みますので、時間の目安はご相談ください。
パートやアルバイトも参加させるべきですか。
社会保険に加入している方が対象になります。誰を対象にするかは制度設計の段階で決めるので、説明会の案内もその範囲に合わせます。
資料だけ配って、質問があれば受ける形ではだめですか。
その形にすると、関心のある人だけが手を挙げます。導入して効果が出ていない会社は、ほぼこの形です。違いは「導入して効果が出る会社と、出ない会社の違い」に書きました。