勤務先で加入しているけれど、中身がよくわからない。給与から引かれているのは知っているが、それが何なのかは説明されていない。そういう方に向けて、制度の基本を整理しました。
まず、何のための制度で、誰のお金なのかを整理します。
企業型確定拠出年金の略で、勤務先が実施する年金制度です。毎月決まった額を積み立て、その資産をご自身で選んだ商品で運用し、原則60歳以降に受け取ります。
受け取る額は運用の結果によって変わります。会社が金額を約束する退職金とは、ここが違います。「確定」しているのは受け取る額ではなく、拠出する額のほうです。
積み立てた資産は加入者本人のもので、転職しても持ち運べます。会社に返すものではありません。
給与の一部を、そのまま給与として受け取るか、企業型DCの掛金として積み立てるかを、従業員がご自身で選べる仕組みです。
掛金に回した分は給与として扱われないため、所得税・住民税と社会保険料の計算の対象から外れます。手取りの増減と将来の積み立てのバランスを、ご自身で決めることになります。掛金に回すか給与のまま受け取るかは、多くの場合、年に1回変更できます。
勤務先によって3つのパターンがあります。
ご自身がどのパターンかは、加入者向けのウェブサイトにログインすると確認できます。なお、会社の掛金に自分で上乗せする仕組みをマッチング拠出といい、これを行っている方はiDeCoに加入できません。
良い面だけを書いても判断できないので、両方を並べます。
| 区分 | 現行 | 2026年12月1日から |
|---|---|---|
| 他の企業年金に加入していない方 | 月 55,000円 | 月 62,000円 |
| 確定給付企業年金などに加入している方 | 55,000円から他制度の掛金相当額を控除した額 | 62,000円から他制度の掛金相当額を控除した額 |
これは法律上の上限です。実際にいくらまで出せるかは勤務先の制度の定めによるため、法定額より低く設定されている場合があります。ご自身の上限は、加入者向けのウェブサイトか、勤務先のご担当者にご確認ください。
根拠:確定拠出年金法施行令 第11条第1項(令和7年政令第442号による改正)相談でよく出てくる、実際に困りやすい3つです。
配分の指定をしないままにすると、掛金が運用に回らず、現金のまま積み上がっていきます。
制度によっては、一定期間が過ぎると規約であらかじめ決められた商品(指定運用方法)で運用が始まる仕組みもありますが、これは制度ごとに異なります。いずれの場合も、手数料は毎月かかり続けます。
まずはログインして、配分の指定が合計100パーセントになっているかをご確認ください。
積み立てた資産はご自身のものとして残ります。転職先に企業型DCがあればそちらへ、なければ個人型(iDeCo)へ移し、運用を続けます。
原則60歳からですが、加入していた期間が短いと、受け取れる年齢が後ろにずれます。
| 通算加入者等期間 | 受け取れる年齢 |
|---|---|
| 10年以上 | 60歳から |
| 8年以上10年未満 | 61歳から |
| 6年以上8年未満 | 62歳から |
| 4年以上6年未満 | 63歳から |
| 2年以上4年未満 | 64歳から |
| 1か月以上2年未満 | 65歳から |
また、60歳以上75歳未満で通算加入者等期間がない方は、加入者となった日から5年を経過した日から請求できます。
根拠:確定拠出年金法 第33条第1項厚生年金の被保険者であれば、70歳未満まで加入できます。実際にどこまで加入できるかは、勤務先の制度の定めによります。
根拠:厚生年金保険法 第9条/確定拠出年金法 第9条内容によって窓口が分かれます。
加入者向けウェブサイトのアドレスやコールセンターの番号は制度ごとに異なります。お手元の通知書でご確認ください。記録を管理している会社から届く封筒に、IDとパスワードの通知が入っていることがあります。捨てずに保管してください。
最終更新:2026年7月31日